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社長ぶろぐ (2007年10月)

2007年10月02日

大醒(たいせい)

昨日10月1日は、日本酒の日でした。 
 
秋の深まりとともに、いよいよ日本酒の恋しい季節を迎えました。 
皆さんも、美味しい日本酒を味わいながら、秋の夜長をお過ごしいただきたいものです。 
 
お陰さまで、先週金曜の三輪酒造創業170周年記念講演会には、地域でお世話になっている130名程の方々にお集まりいただき、清酒バロンテッシンを酌み交わしながら、無事に会を進めることができました。 
 
横山先生による「小原鉄心とソフトピア」という演題の講演の中で、鉄心が愛したお酒の話と、彼が建てた別荘である「無可有荘」の中にあった茶室『大醒しゃ』の話をしていただきました。 
 
鉄心は、政治を論ずる場として澤田屋(現 三輪酒造)を使われるとともに、自身の茶室『大醒しゃ』にいろいろな人を招き、会合をもたれたようです。 
 
その『大醒しゃ』は、弊社と同じ町内にあるお寺の中に、今でも現存しているのですが、老朽化が激しく、今後も保存していくことが非常に難しくなっており、街としても対策を講じなければならない状況にあります。 
もちろん、私自身も、小原鉄心と、彼の建てた『大醒しゃ』を、後世まで伝えていくことができるよう力になりたいと考えております。 
 
今回、弊社170周年を記念して、同じく大垣市内で250年前に創業された槌谷柿羊羹さんに、バロンテッシンの酒粕を使用したお菓子を作っていただきました。
小原鉄心にちなみ【大醒】と名づけられたこのお菓子は、記念講演会が催された日に合わせ発売されております。 
http://www.kakiyokan.com/info/index.htm 
 
大垣つちやの柿羊羹は、昔から広く知られる銘菓ですが、近年は、柿羊羹以外にも、様々な新しい感覚の和菓子を開発されています。 
このつちやさんと私共は、日頃から公私にわたるお付き合いがあり、今回の【大醒】発売のお話となりました。 
 
お互いに、市内でも歴史ある家として頑張っていますが、和菓子も、清酒も、地元の人に愛して頂くことが第一だと思います。 
これを機会に、尚一層、お酒造り、街づくりに努力してまいります。 

2007年10月06日

求人

地方の景気が今ひとつと言われる中、「名古屋が元気」という声が聞かれます。 
 
トヨタのお膝元である愛知県を始め、多くの製造業が集中している東海地方ですが、意外と知られていないのが航空産業です。 
 
岐阜県各務原市に川崎重工の岐阜工場があり、この会社を中心として、愛知県の三菱重工、富士重工で、アメリカボーイング社の旅客機の一部を受注し製造しています。 
今回、新たに自衛隊の機種も決まり、この地域の工作機械メーカーも含め、下請業者まで非常に好調のようです。 
 
また、三重県ではシャープ、富士通といった会社が大型投資を行い、各企業が相当数の人材を集めています。 
 
そのため、求人倍率が、愛知県では2.0倍、岐阜県、三重県でも1.8倍という高い数字を示し、これが、名古屋を始めとした東海地区が元気であることを印象付けているのでしょう。 
 
私共の大垣地域にも、イビデンを始め元気な企業がありますが、どの企業も、人材を集めることに、大変苦労していらっしゃる様子です。 
現在、市内の人口16万人中、ブラジルからの出稼ぎの方とその家族が6,000人もいるようですが、最近では、その出稼ぎの方々でさえ不足している状況になっています。 
 
このような現状を見ていると、日本の社会構造が大きく変化してきていることを象徴しているような気がしてなりません。 
 
そんな中、来年2月に、大垣商工会議所主催で『経営者が語る会社説明会』を開催することになりました。 

2007年10月10日

十万石まつり

この季節、全国各地で、秋祭りが行われています。 
当地域でも、8日の日曜日に、大垣3大まつりのひとつ、「十万石まつり」が盛大に行われました。 
 
大垣市では、春の「大垣まつり」、夏の「水まつり」、そして秋の「十万石まつり」と、3つの大きなお祭りがあります。 
特に、春の「大垣まつり」と、秋の「十万石まつり」は、江戸時代より続くお祭りで、戸田十万石の城下町として栄えた頃の様子を窺い知ることが出来ます。 
 
元来、秋に行われるお祭りは収穫祭の色合いが強く、お米の収穫の結果を神に報告し、感謝するものであると言われます。 
 
当地の「十万石まつり」は、戸田公の氏神様、常葉神社の礼大祭でしたが、40年程前より、大垣商工会議所が主催者となって、駅前商店街を中心に御神輿のパレード等が行われるようになり、今年も神社の神輿の他に、企業神輿が出場し、祭りを盛り上げてくれました。 
 
このお祭りで、我々西濃酒造組合は、例年、組合員各社のお酒を4斗樽に詰め、十万石まつり限定のお酒として会場に置き、鏡割りの後、振る舞い酒を実施しています。 
 
過日、道路交通法が改正され、飲酒運転に対する罰則が強化されたこともあり、今年は振る舞い酒に手を出す方が少なくなったような気もしましたが、それでも、30分足らずの間に、全てなくなってしまいました。 
 
最近、様々なお祝い事の場において、日本酒を飲む機会が減っています。 
これは、何も道路交通法だけが原因ではありませんが、酒造りに携わる者として寂しいかぎりです。 
日本のお祭りには、やはり、日本酒が一番合うような気がしてなりません。 
 
今年も豊作に感謝しつつ、これからの酒造りに繋げていきたいと思います。 

2007年10月11日

萬家春

弊社は、かつて『萬家春』という酒名で商売をしてきました。 
この『萬家春』という酒名は、幕末の時代、弊社を大変かわいがって下さいました大垣藩の重鎮、小原鉄心につけていただいたものです。 
 
鉄心は、幕末の大垣藩の藩老として活躍された方ですが、元来無類の酒好きで、度々当家へ足を運ばれていました。 
 
ほどよく酒が回り、気分が良くなると 
「料紙を持て」 
と言って筆を取られたようです。 
 
当時、弊社の酒名は「大星」「男山」という名前でしたが、それではいかにも無風流だということで、鉄心翁自ら命名下さったのが『萬家春』でした。 
 
そして同時に、当家を【萬家醸春楼】と名づけて下さいました。 
【萬家醸春楼】とは、“萬(よろず)の家に春を醸す楼(やかた)”という意味があります。 
 
大正時代になると「上等萬家春」というお酒が出来ましたので、鉄心翁の名をそのまま頂戴し、清酒『鉄心』という銘柄が誕生しました。 
 
以来、昭和40年代までは『鉄心』『萬家春』という銘柄で、地元中心にお酒を販売してきましたが、今から30年前頃から、県外への販売を目指して、現在弊社の主力銘柄となっている「道三」ならびに「白川郷」を中心とした酒名に変えていったのです。 
 
今回、創業170周年を迎えるにあたり、創業の心を忘れることのないようにと、没後、男爵位を受けた鉄心に因み、清酒『バロンテッシン』を発売することになりました。 
ブランドを築くことは並大抵のことではありませんが、これからも地道に、地域の人々にも愛される酒蔵を目指してまいります。 

2007年10月13日

どぶろく祭り

今年も、明日14日から19日まで、岐阜県白川村の3つの八幡神社にて、白川郷どぶろく祭りが行われます。 
 
村の氏神様の祭礼の時に、お神酒として振舞われる“どぶろく”は、税務署の特別の許可により、祭礼用として、村の氏子の人々によって、神社内で造られるお酒です。 
 
弊社の「純米にごり酒白川郷」は、30年前、当時の村長さんから、白川郷を訪れた観光客の方に、お土産として販売することができるどぶろくを造れないか、という相談をされたことから製造が始まりました。 
商品化するにあたり、可能な限り白川郷のどぶろくに近いものを出したいという想いから、もろみのままのお酒を瓶に詰めた「純米にごり酒白川郷」が誕生したのです。 
 
また、発売当時、白川村の方々とのお約束で、商品に白川郷どぶろく祭りのPRを兼ねた“しおり”をつけて販売することになりました。 
その後、海外へ向けて販売するまで育った現在でも、お約束どおり、全商品に、首かけのしおりをつけさせていただいております。 
 
最近では、全国の多くの酒蔵でも、にごり酒を造られるようになりました。 
しかし、弊社の「純米にごり酒白川郷」は、独特の味を持つにごり酒として、一般の清酒とは、全く違うイメージで可愛がっていただいております。 
 
弊社としましては、白川郷のおかげで商売をさせていただいている訳ですから、今後も、村のためにお役に立てるよう頑張っていきたいと思っています。 

2007年10月17日

赤福

先週、伊勢の老舗和菓子屋「赤福」がJAS法違反にあたるとして、農林水産省の行政指導を受けました。 
 
内容は、出荷の際余った餅を冷凍保存し、解凍した日を新たに製造年月日と偽装して出荷していたという、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律違反容疑でした。 
生製品を製造している企業として、苦肉の策として考え出された方法のようです。 
 
確かに今回の件は、JAS法違反ということで大いに問題がありますが、もし、生菓子業界において、技術開発による冷凍保存という方法を認めるのであれば、最初からその旨を表示して販売する方法もあるのかもしれません。 
 
もちろん、アルコール飲料についても、製造年月の表示が義務づけられています。 
清酒の製造年月について、普通に考えれば、醗酵が終わって搾られた時と思われるかもしれませんが、清酒の製造年月とは、上槽後、ある一定期間貯蔵熟成した後、味を調合し、商品として壜詰された時点を言います。 
商品によってその時期はそれぞれ定めがあり、それに従って月日を印字しています。 
 
そんな中、弊社は、一昨年より、冷凍貯蔵のどぶろくの免許を新たに取得し、製造販売を始めたのですが、実は、酒製法上、この冷凍貯蔵酒の、製造年月表示の時期についての定義がありません。 
そのため、弊社独自の見解として、一度解凍し商品化した時を製造日と定め、その後、再冷凍をして出荷する方法をとっています。 
 
近年、コンプライアンス(法令順守)が大きな社会問題となっていますが、実際のところ、後追いで決まる法律も少なくありません。 
新しく決まった法律に、いかにして合わせていくのかが、企業にとって大きな課題となっており、特に老舗といわれる会社ほど、このような問題への対応が遅いような気がします。 
私たちも、より気を付けなければならないことなのです。 

2007年10月23日

生と死

現在、我が家には、80代の両親、来年還暦の私たち夫婦、そして30代の息子夫婦、そして幼い孫2人の4世代がいます。

毎日の生活の中で、この1〜2年、米寿を迎えた父の衰えと、2歳になった孫の日々の成長を見ながら思うことがあります。 

人間は、この世に生を受け、色々なことを経験しながら、最後は老いて死んでいくのですが、そんな当たり前のことですら、普段仕事に追われていたりすると、ついつい忘れてしまっているような気がします。 
 
そんな中、私の母方の祖母が、先週亡くなりました。享年102歳の大往生でした。 
 
連日のマスコミ報道で殺伐とした事件が報じられていますが、今回、たまたま祖母の死を目の当たりにして、改めて人生について考えさせられました。 
 
祖母は明治、大正、昭和、平成と生き抜き、特に昭和16年に夫を亡くしてからは、5人の子供を女手一つで育て上げたのです。 
晩年は伯父夫婦のもとで暮らしており、つい3ヶ月前までは本当に元気でした。 
亡くなる1ヶ月前に病院を見舞った時も、はっきりと私と話をしてくれ、その強い生命力に驚くとともに、自身の年齢を考えると、まだまだ頑張らねばと大いに刺激を受けました。 
 
しかしながら、私の周りでも、若くして亡くなる方が少なくありません。  
人の寿命というのは、自身では決められるものではないのです。 
ただ、精神的にも肉体的にも健康であり続けることは、自分自身が気をつけることによって、ある程度コントロールできるような気がします。 
 
人間は、ついつい生皮をしたり、時には無理をしてしまうことがありますが、これは全て人間の欲望によるものなのかもしれません。
どこまでも自然体でありたいとは思うのですが、まずはお互い健康で長生きできるよう頑張りましょう。 

2007年10月25日

国政報告会

先週、岐阜県第2区選出の衆議院議員、棚橋泰文先生の国政報告会がありました。 
 
棚橋先生は、1996年の衆議院議員選挙にて初当選の後、現在5期目を迎えられ、2002年には自民党青年局長に就任するなど、党内若手のリーダーとして活躍されています。 
先の小泉内閣では、若干41才で国務大臣になられた他、内閣府特命担当大臣に就任されるなど、重要なポストも担われてきました。 
 
多忙な毎日を送っていらっしゃいますが、以前、東京‐岐阜羽島間を、年間180往復されると伺ったことがあります。
また、300人を超える自民党衆議院議員の中に埋もれることなく、いかにして自身の力を発揮していくのかなど、我々にははかり知れない大変な思いもされているご様子です。 
 
今夏の参議院議員選挙での自民党惨敗以降、波乱含みの国政ですが、私達地方にいる者は、国の政治に直接関わることがほとんどありません。 
そのため、今回の報告会のように、今、国政において何が起きているのかを、国会議員の先生から直接伺えることは、とてもありがたいことです。 
 
棚橋先生は通商産業省(現・経済産業省)からの転出であり、事務方にも明るいようです。 
これまでの経験を活かしながら、今後も、国と地方のために、様々な場面で地道な活動を続けられ、益々活躍されることを期待しております。 

2007年10月30日

農業フェスティバル

27日、28日に、「岐阜県農業フェスティバル」が開催されました。 
 
このイベントは、JAと食品産業協議会が中心となり、県内の農業の現状と今後の方向性を、より多くの県民に知ってもらうと共に、お米をはじめとした地域特産物や加工食品のPRを通じて、岐阜県農業の更なる活性化を図ることを目的として、30年近く続く、県内最大規模の農業イベントです。 
 
初日は台風の影響で雨が降り、今ひとつ人出も疎らな様子でしたが、翌日曜日は雲一つない晴天に恵まれ、多くの家族連れが会場を訪れました。 
 
朝取り野菜を求めて朝早くから人が集まり、地域食材を使った料理を提供する屋台横丁や、様々な実演販売などに行列が出来ていました。 
また、同時開催イベントであった「森と木とのふれあいフェア」では、木登り体験や親子木工教室、クラフト教室などが行われ、子供達が楽しく遊ぶ姿が見られました。 
 
この農業フェスティバルでは、私たち酒造組合も、毎年各蔵自慢の様々な種類のお酒を持ち寄り、試飲販売をさせていただいております。 
飲酒運転防止規制の影響もあり、以前と比べ、試飲をする人の数は減りましたが、それでも試飲用のコップにお酒を注ぐと、次々と手を伸ばしていただきました。 
 
酒造業者は国税庁の管轄化に置かれているのですが、お米を原料として酒を製造しているため、農業とは、切っても切れない関係にあります。 
特に三輪酒造の「純米にごり酒白川郷」は、他と比べ米の使用量が多く、飲んだ時に、お米の味をそのまま感じてもらえるという特徴を持っています。
最近、全国の蔵元からにごり酒が発売されていますが、その中でも「白川郷」のファンが多いのは、そんな素朴な味に好感をもたれているからなのだろうと自負しています。 
 
近年、欧米の食文化が流入し、肉食が多くなる傾向にあり、そのため合わせるアルコールも、ビールやウィスキー、ワインといった洋酒が増えています。
しかし、元来、我々日本人は、お米の文化の中で生活しており、長い歴史の中でこれまで通り、お米に対して持ち合わせる気持ちが無くなることはないでしょう。 
 
「白川郷にごり酒」も、約30年の間、このイベントの試飲会に参加していますが、これまで一度もこのお酒を飲んだことがない方が、まだまだ数多くいらっしゃいます。 
農業フェスティバルを通して、米の文化について、改めて考えさせられたと同時に、お米を原料とした日本酒を、もっと多くの方々に飲んでいただける様、更なる努力をして参りたいと思います。