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社長ぶろぐ|

白川郷純米にごり酒 誕生秘話その2

昭和51年8月、いよいよ販売目的の“どぶろく”の製造許可を申請することになりました。 
しかし、そこには、2つの大きな問題が待ち受けていたのです。 
 
当初、白川村の中に、三輪酒造の分工場を建設する計画がありました。 
村議会には了承いただき、また、名古屋国税局からも、問題ないとの判断をいただいておりました。 
しかし、高山酒造組合と地元総代会から、建設反対の声が上がり、断念せざるを得なくなりました。 
『白川郷にごり酒』という商品名でありながら、白川村ではなく、美濃地方の大垣市で製造しているのは、このことがあったからです。
 
 
数年後に分かったことですが、その前に行われた選挙で敗れた方々が、反対の中心にあったようです。
それ以来、三輪酒造として、白川村の中では、両者どちらの味方もしないように心がけてお付き合いをしています。
 
更に、“どぶろく”を製造するにあたり、酒税法という壁にぶち当たりました。 
それまで、白川村などで、祭事の際に振舞われる“どぶろく”は、全く特別な扱いであり、それ以外での“どぶろく”の製造免許は、100年近くもの間、許可されてこなかったのです。 
 
その後も、つい3年前に全国で許可された「どぶろく特区」の免許が制定されるまで、国内で“どぶろく”を造ることが認められていませんでした。 
昨年、三輪酒造が『純米白川郷どぶろく仕込み』という、これまでにない製造方法で造るお酒を発売しましたが、この商品を製造・販売するにあたり、新たに許可された“その他の雑酒(現在は、その他の醸造酒)”という免許も、明治38年以来、約100年ぶりの免許だとのことです。 
 
白川村での製造を断念し、大垣で“どぶろく(にごり酒)”を造る計画に方向転換することになり、それを大垣税務署に申請しましたが、やはり製造の許可はできないとの判断が下されました。 
 
それまでも、「活性清酒」というジャンルに当てはまる“にごり酒”はあったのですが、その通達事項の中に、 
【生に限る・1.8L壜詰限定・毎年3月までの期間限定】 
という項目があります。
   
その時、三輪酒造は、 
【火入れ殺菌をした上、720ml詰で、通年販売】 
という“にごり酒”の製造販売を申請したものですから、それは通達違反であり、許可できないということでした。 
 
そこで、当時社長であった春雄が、国税局の関税部長に相談したところ、それは通達を変えればいいだけの問題であり、本庁へ行って話をしてくるようアドバイスを受けました。 
早速、国税庁の酒税課へお願いに上がったところ、間もなく許可が下り、晴れて現在の『白川郷純米にごり酒』を、世に送り出すことができるようになったのです。 
 
今でこそ、全国の酒造メーカーが、ごくごく当たり前のように“にごり酒”を製造していますが、もしこの時、関税部長の粋な計らいがなければ、『白川郷純米にごり酒】はもちろん、“にごり酒”という市場そのものが未だに存在しなかったことと思います。 
 
今も、30年前にお世話になった方々に、感謝する気持ちでいっぱいです。