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社長ぶろぐ|

澤田屋火事

今からちょうど130年前の明治10年2月14日午前2時頃。
私共の酒蔵から、火の手が上がりました。
 
伊吹おろし”と呼ばれるこの地方独特の季節風にもあおられて、火はみるみる燃え広がり、結果的には、150軒とも、200軒とも言われる大火事となってしまったのです。 
 
この火事は、当時の屋号から「澤田屋火事」と呼ばれ、その後、“大垣六大騒動”の一つとして後世に伝えられています。 
 
起こしてはならない大火事の出火元となった当家が、酒造業を廃業しなければならないような状況にまで追い込まれたのは当然のことであったと思います。 
 
その時、当主であった徳次郎は、大火となってしまった原因の一つとして、この地に“火消し”がなかったことに気づきました。 
 
当時の澤田屋は、酒造業以外に、江戸で米屋を営んでいたこともあり、その江戸の火消しの組織を学び、大垣の地に「大文字組」という名の“火消し”を作り、徳次郎自らが初代組頭となったのです。 
 
そして、それと同時に、『代々消防にご奉仕せよ』という家訓を作りました。 
 
「火元七代たたる」と言われますが、その後、先代も、先々代も、大垣市の消防団長を務めさせていただきました。 
当然のように、私も消防団に入団し、10年前までは本部長として、現在は大垣市防火協会の会長として、地元の消防に関わらせていただいております。 
 
また、私の父である春雄は、前晩必ず、寝る前に酒蔵見廻りを行なってきましたが、今では、私がその役を引き続いでいます。 
 
先祖の苦労を想うと、どんなことがあっても火事は出してはいけないと気が引き締まる思いであるのと同時に、その時、廃業の道を選ばず、よく持ちこたえてくれたものだとつくづく感心しています。 
 
その祖先の気持ちを、今度は私が後世に伝えていかなければ、と思っています。