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社長ぶろぐ|

初呑切り

先週、西濃酒造組合主催の、「初呑切持寄研究会」が開かれました。 
 
「初呑切り」とは、冬期間に仕込まれ貯蔵されているお酒の熟成具合を確認するため、この時期に、蔵元や杜氏など関係者により、封印された貯蔵タンクの呑口を初めて開封することを言います。 
 
初呑切りは、各蔵内のお酒の状態を確かめる為に、全国の酒蔵で実施されますが、岐阜県では、組合単位にお酒を持ち寄り、先生方が巡回をして合同で開催されてきました。 
 
組合での初呑切り研究会は、他にも2つの目的があり、そのひとつは、この時期がちょうど税務署の人事異動の直後に当たり、新任の方との初対面の機会となります。 
今年も大垣税務署の署長を始め、酒類調整官や指導官が交代され、初めてご挨拶させていただくことができました。 
 
我々酒造メーカーは、本来、お客様の方を向いて仕事をしなければならないのですが、私達の先輩方は、酒類税務行政の下で仕事をさせていただいている為、どうもお上という感覚が強く、今回のような機会には、必要以上に気を遣う人が多く見受けられました。 
最近は税務署の方々も、以前のような威張った態度で接する人はほとんどなくなりましたが、やはり、何となくお互い気を遣って話をしているのは否めない事実です。 
 
もう一つの目的は、この機会に杜氏さんを呼ぶことです。 
杜氏達は、当たり前のように、毎年秋に蔵入りをして、春に地元に帰るという習慣が続いてきました。 
しかし、蔵元と杜氏とは、あくまでも単年度契約であり、毎年春には、お互
い「来年もよろしくお願いします。」という挨拶を交わしますが、翌年、必ずその杜氏を呼ぶ、または、杜氏が来てくれるという保障は全く無く、あくまでも信頼関係で成り立っていました。 
そして、初呑切りに招聘し、招聘されることにより、今年も秋からの酒造りをお願いすることとなるという、暗黙の行事であったそうです。 
 
近年は、徐々に出稼ぎの杜氏が減少するとともに、各蔵の息子さんや社員による酒造りが増えています。 
当組合でも、出稼ぎの杜氏はとうとう3人になってしまい、何となく寂しい思いの募る初呑切りでした。